「さぁさぁ、しゅっぱーつ!まずはどこ行こうか?アキちゃん何か見たいトコある?」
やたらハイテンションな駆人に、アキはしばし悩んだ後にこう答えた。
「みんなの教室!どんなとこで勉強してるのか見てみたい」

 俺たちの教室は、2階の端にある2年A組。すぐ隣には、「数学科研究室」がある。
 うちの学校は教師が科目ごとに分かれて、別々の部屋にいる。旧学制の名残だとか、単に科目間の仲が悪いだけとか言われてるけど、ホントのとこはよくわからない。
 中央階段を昇りながら、
「うちのクラス、今日は活動なかったよな?」
と、先陣をきってウキウキしている駆人に尋ねた。
「うん♪だから誰もいないし、ちょうどいいんじゃない?」
「そーだな、あんまヒトいると、アキのこと説明すんの大変だしな…」
「そゆこと★お邪魔虫は俺で十分だかんね」
「はぁ?」
 やっぱりさっきから、こいつの真意が掴めない。何を言わんとしているのか、皆目見当がつかない…。
「にしても、この学校天井高いわね〜」
 俺の思考の流れなぞ知りもせずに、天井を見上げながらアキがつぶやいた。
 でしょでしょ?!と駆人がのってくる。
「結構古い建物らしいから、文化財にって話もあるんだってさ☆」
 …それは、俺も初耳かも。
 アキはふんふんとうなづきながら、辺りをキョロキョロと見回していた。
 …ってか、こいつはそういうキャラなのか?やたらと辺りを見回す奴だな。
 ま、別に害になるわけでもないから、どうでもいいんだけど。
 あぁ、蝉がうるさい。



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